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沖縄紀行その2~伊藤峯子先生~

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2014年06月06日 14:39  カテゴリ:染織紀行

沖縄紀行その2~伊藤峯子先生~

過去記事からの焼き直しです。

少々古いお話になりますが、沖縄のみなさんの人としても暖かさや、それを織り込んだといってもよい素晴らしい作品の数々は、現地で感じた風や香りとともに、しっかりと記憶に残っています。
近いうちに、沖縄の染織を集めた展覧会をできればいいなと思ってます。

よろしければ、焼き直し第一弾もご覧ください。
「沖縄紀行その1~上原美智子先生~」
http://kashiwaya-gofuku.co.jp/e269358.html


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2007年7月10日夕刻、首里の町通り抜け、花倉織りで有名な伊藤峯子さん宅へ向かう。
横目に首里城を見ながら、”少しくらいは観光する時間があるといいな・・”などと思いつつ、車窓に映る景色を眺める。
それにしても、坂が多い。

伊藤峯子さん宅は、首里城の裏手、小高い岡の天辺にある。
早速、工房の中をご案内いただいた。
伊藤さんご愛用の機は、ご自身で使いやすいように工夫がこらされている。
自慢げに”こういう具合に工夫したんです!”と笑って話してくれる姿を見ると、機に対する相当に深いであろう愛着が、容易に想像できる。
機は、工房奥の一室にすえられている。
窓から見える景観は素晴らしく、何ものにも邪魔されず気ままに通り過ぎる風が心地よい。

首里というところは、かつて首里王府の貴族、士族が多く住んだ場所であり、彼らはそこで織られる首里織のきものを着用したそうである。
伊藤さんの織られる花倉織は、琉球王妃、王女がまとった夏の着物で、数ある首里織の中で最も格式が高いものだ。
花倉織の織物 小さな模様を花のように織り込む花織のに加えて絽織を入れることにより、透明感のある涼やかな布が織りあがる。



伊藤さんは、「花織に絽を入れ込んで織るのはとても手間がかかって、着尺となると私しか織ることができないんです。」と話ながら、実際に機を動かして見せてくれた。
なるほど、糸のかかりが複雑で縦糸がすんなり開かない。かなりの根気と労力が必要であることが用意に想像できる。
ところが、伊藤さんによると「糸を織機に掛ければ、仕事の80パーセントは終わりなんです。」とのこと。
機に掛ける前の作業、撚糸や染色、デザインなどの方が、機の作業よりもよほど時間と労力がかかるということだろう。
思えば、沖縄の染織物は、糸や染料などの原材料へのこだわりが強い作品が多い。伊藤さんに限らず、個性あふれる作品作りをされる作家さんが多いのも、この地の特徴であろう。
そのこだわりの結果として高価になりがちな沖縄の染織物であるが、こうして実際の作業を目の当たりにし、作家さんの情熱的なお話を聞かせていただくと、その価値の高さに納得できる。

伊藤さんは、終始にこやかに対応してくれたが、そのお話の中に、今の仕事や自分の持つ技術への誇りを感じた。
「こんな大変なものは織りたくない!」といいながらも、「やりだすと楽しいんですよ。」とテレ笑い。
「組合の人は”こんな手間のかかる織物はやめて、もっと簡単なものを織りなさい”というので、いつも喧嘩になるんです。」
同行した問屋さんの方を見て「もうちょっと高く買ってくれたら、もっとやりがいがあるんだけどな・・」と冗談めかして言ってみたり。
伊藤さんは本当に気さくなお人柄で、いろいろと本音を聞かせていただくことができ、時間の流れを忘れてしまうほど楽しいひと時を過ごすことができた。
(おかげで、夕食の予約時間に遅れそうになったのだが・・・)

そういえば・・・
一連の会話の中で、「透けるのがいいんですよ!」という伊藤さんの言葉を何度となく聞くことができた。前回の日記に書いた上原さんも同じことを言っていたような・・・。
女性というのは、透けるものにあこがれるのかな?




伊藤峯子さん経歴
1942年 大阪府豊中市にて出生
1964年 青山学院大学文学部卒業
1980年 沖縄県工芸指導所染織課研究生として入所
1981年 上記終了後、工房設立
1984年 第9回日本きもの新人染織展にて佳賞受賞
1985年 日本きもの新人染織展にて大賞受賞
1988年 第10回沖縄県工芸公募展にて最優秀賞受賞
1990年 第37回日本伝統工芸展入選
1992年 第29回日本伝統工芸染織展にて東京都教育委員会賞受賞
1993年 第30回日本伝統工芸染織展にて第30回記念特別賞受賞
      第40回日本伝統工芸展にて高松宮記念賞受賞(昨品文化庁買い上げ)
1994年 沖縄タイムス芸術選賞 奨励賞受賞
      第41回日本伝統工芸展入選
      (社)日本工芸会正会員に認定
1997年 沖展織物部門準会員



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